非上場会社における株式評価
株式の評価は、上場企業であれば、刻一刻と変化する株価で同社の株式の価値は一目瞭然ですが、上場企業は、ごく一部であり、通常の自営業の方が経営する会社の多くは、上場していないので、株式評価は一般的に困難です。
そのため、離婚における財産分与や相続の際に、自営業者である配偶者や被相続人の保有する自社株式について、株式評価額をいくらとするかが争点となり得ます。
非上場会社の株式の評価
まず、非上場会社の株式の評価の際には、株主が同族的か、そうでないかによって評価方法が変わってきます。
同族的株主がいる会社とは、大雑把に言えば、同族経営しており、株式を親族間で持ち合っている会社のことです。
同族的株主がいる会社の場合は、さらに、会社の規模によって評価方法が変わってきます。
株式の評価方法
そして、この場合の株式の評価方法は大きく2つの方法があります。
1つ目は、類似業種比準方式で、原則として規模の大きな会社で使われます。
この方法は、毎年6月に国税庁のHPで公表される「類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等」の類似業種の平均株価を基礎として、1株当たりの配当金額、年利益金額及び純資産額を類似業種と批准して、株式評価額を計算する方法です。
この評価方法では、利益を出している会社ほど株式評価額が高くなります。
2つめは、純資産価額方式で、原則として規模の小さな会社で使われます。
この方法は、評価化する会社の課税時期における資産(相続税評価額)から負債額及び評価差額に対する法人税額等相当額を控除して、株式評価額を計算する方法です。
この評価方法は、利益が上がっていなくとも保有資産の含み益が多い会社の場合、株式評価額が高くなります。
類似業種比準方式と純資産価額方式を比較すると、一般的に純資産価額方式の方が株式評価額は高額になります。
また、会社の規模から直ちに評価方法が決まるわけではなく、両者を併用する併用方式や、規模の大小によらず他の方法も選択可能なので、事案によって、より適切な株式評価を行う必要があります。
そして、同族的株主がいない会社の株式の評価方法は、配当還元方式です。
すなわち、会社支配に直結する同族的株主はおらず株式を少数しか持っていない少数株主の場合は、その株式を有していても配当を得ることしか出来ないので、その程度の価値しか評価されないことになります。
以上のとおり、株式評価の方法は様々なものがあり、税務も関わることから専門的知識が必要です。
当事務所では、提携する税理士事務所とも協力して事案に応じた株式評価を行い、総合的なアドバイスをさせて頂くことが可能です。
以上